2018.11.20


【インタビュー】
新約款へ手続き早期に 免許更新制の導入を

近畿トラック協会 辻卓史 会長

昨年11月に標準貨物自動車運送約款が改正されたが、全国的に新約款の届け出率はいま一つ。近畿トラック協会の辻卓史会長も「満足できる水準ではない」とする。取引環境の改善、コンプライアンス(法令順守)確保に向けて更新制度の検討を提案する。

 ――昨年秋の約款改正後、近畿の届け出率は低い。
 辻 近畿の届け出率は65.4%(11月2日現在)。近畿運輸局と各府県トラック協会が運送約款改正の周知を再徹底して幾分進んだが、満足する水準ではない。未届け出の企業は行政処分の対象となり得るため一日も早く完了してほしい。協会は行政と連携して最後の1社まで指導する。
 ――コンプライアンスは最低限の条件。
 辻 社会保険の未加入、労働時間規制など法令を順守しない企業は少なからずある。適切な競争環境を整えるため、違法な企業を市場から退場させる取り締まりは不可欠。
 ――対策は。
 辻 免許の更新制度を検討すべきではないか。業界は全国約6万2276社(平成28年度)と多く、実現には懐疑的な見方もあるが、知恵を出さなければならない。例えばト協の適正化事業指導員は3~4年に一度の割合で全社を訪問している。国から委託する形式で、指導員に免許更新の妥当性を判断させるのも一つの手段だ。また現在5台の認可基準を再考することも有効と言える。若年層が働きたいと思える業界を一刻も早く構築したい。

万博を契機にインフラ整備

 ――間もなく平成37(2025)年の万国博覧会開催地が決まる。
 辻 大いに期待している。万博開催を契機に、インフラ整備を進展させる絶好の機会。現在、新名神高速道路、阪神高速湾岸線西進などの事業が進展するが万全とは言えない。例えば関西空港と神戸空港の間を海底トンネルで結べば、関東圏と同様の環状道路が出来上がり、近畿圏の物流は格段に生産性が高まる。
 ――今年を振り返ると近畿は天災が相次いだ。
 辻 6月の大阪府北部地震、9月には台風21・24号が来襲した。特に台風21号の被害は甚大で、関西空港の浸水、トラックの横転・水没などがあったが、人的被害がなかったことは不幸中の幸い。災害で一時、落ち込んだ荷動きもほぼ正常に戻っている。
 ――災害時、トラックは緊急支援物資輸送の社会的使命を担っている。
 辻 大阪府北部地震では京都、兵庫各ト協が自治体の要請で輸送を行った。近畿は今後、南海・東南海地震が予想されている。万が一の際、ラストワンマイルで物流のプロの派遣が求められる。地元自治体と常日頃からコミュニケーションを深める必要性を今回の災害を通じて再認識した。

(略歴)
 つじ・たかし=昭和17年10月3日生まれ、76歳。41年一橋大商卒、宇部興産入社、58年鴻池運輸入社、同年専務、平成元年社長、12年会長兼社長、15年会長。19年から全日本トラック協会副会長、28年から近畿トラック協会長、大阪府トラック協会長。

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